INSVISIONのハンディタイプ3Dスキャナー:作業内容とワークに応じた機種選び
INSVISIONのハンディタイプ3Dスキャナーには、汎用性の高いAlphaScanと大型ワーク向け追跡式のV-Trackがあります。金型や機械部品の高精度測定、大型溶接構造物のマーカーレス全寸法測定など、作業内容とワークの大きさに応じた機種選びの考え方を解説します。
ハンディタイプ3Dスキャナーは、ワークを測定室へ運ばずに現場で直接データを取得できることが最大の価値です。INSVISIONのハンディ型ラインアップでは、金型や機械部品から大型構造物まで幅広く対応するAlphaScanと、大型ワークの全寸法測定に特化した追跡式のV-Trackが代表的な選択肢になります。金型内部の摩耗をカリパスでは測定できない箇所まで定量化したい、機械加工部品の検査を効率化したい、大型溶接構造物をマーカーなしで測定したいといった現場の課題に応じて、適した機種は変わります。
現場で使えるハンディタイプ3Dスキャナーの強み
ハンディタイプ3Dスキャナーの強みは、測定対象の周囲を自由に移動しながらスキャンできることです。12メートルや14メートル級の作業船船体のように、測定室へ運ぶことが現実的でない大型ワークでも、その場で外形データを取得できます。また、高所の外曲面や狭いリブの隙間、深い穴の内部など、固定設置型のセンサーでは届きにくい箇所にもアプローチできるため、測定の死角を減らせます。
ワークの形状や現場のレイアウトに合わせて走査経路を調整できることも、多品種少量の生産現場や補修・保全の現場で有利に働きます。
AlphaScan:多品種のワークに対応する汎用ハンディスキャナー
AlphaScanは、最大650mm×550mmのスキャンエリアを持つ汎用性の高いハンディ3Dスキャナーです。冷蔵庫用放熱板の押出金型における内部摩耗の定量化、自動車用ステアリングナックルの量産検査、変速機の品質管理、遠心設備の複雑な部品の逆設計、鉄鋼用冷間圧延ロールの摩耗比較、12メートルから14メートル級の作業船船体の形状取得、全長16メートル・高さ3メートルの影壁に刻まれたレリーフや文字のデジタルアーカイブまで、ワークの大きさや業界を問わず幅広い実績があります。

細かな曲面や穴、V溝といった形状を高精度にデータ化する必要がある場面や、現場ですぐにスキャンを開始したい場面で、その汎用性が活きます。
V-Track:大型ワークの全寸法測定に強い追跡式ハンディスキャナー
V-Trackは、固定架設した光学トラッカーがハンディスキャナーの位置と姿勢をリアルタイムで捉える追跡式システムです。ワーク表面にマーカーを貼る必要がないため、大型溶接部品の全寸法測定のように、広い表面へのマーカー貼付に時間がかかるワークや、測定前の段取り時間を短縮したい現場に適しています。スキャナとトラッカーの間は双方向のワイヤレス通信で接続され、スキャナは内蔵バッテリーで駆動できるため、高所の外曲面や狭いリブの隙間へもケーブルの制約なく移動できます。

最大スキャン面幅2600×2200mm、走査速度は毎秒最大710万回で、大型ワークの測定でも往復経路を減らし、1回のスキャンで広い面積をカバーできます。
マーカーを使ったスキャンの基本的な配置の考え方
ハンディスキャンで安定したデータを得るには、マーカーの配置が重要です。AlphaScanの場合、マーカーはワーク表面に均一に、かつ規則性のない配置で貼るのが基本で、できるだけ平坦な箇所に貼付します。測定したい重要な構造部分や曲率の大きい曲面部には貼らないようにします。縁の部分や面積の小さい箇所には、小さいサイズのマーカーを使うと良いでしょう。
表と裏の両方をスキャンしてデータ位置合わせを行う場合は、両方のスキャンで共通して見える側面の平坦部に、少なくとも4個以上のマーカーを貼る必要があります。破損したマーカーは認識不良の原因になるため使用しません。