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流体制御部品の3D検査:複雑流路・多様材質ワークの課題解消と現場最適化

流体制御部品は、半導体製造装置、発電プラント、自動車など幅広い分野で使用される基幹部品で、品質が装置全体の性能や安全性に直結するため高精度な検査が不可欠だ。複雑な内部流路や多様な材質により従来の検査手法では対応が難しい中、3Dスキャンを活用した検査のニーズが高まっている。 ## 流体制御部品の形状・材質の特徴と検査の前

流体制御部品は、半導体製造装置、発電プラント、自動車など幅広い分野で使用される基幹部品で、品質が装置全体の性能や安全性に直結するため高精度な検査が不可欠だ。複雑な内部流路や多様な材質により従来の検査手法では対応が難しい中、3Dスキャンを活用した検査のニーズが高まっている。

INSVISION AlphaScan 3Dスキャン事例
INSVISION AlphaScan 3Dスキャン事例

流体制御部品の形状・材質の特徴と検査の前提

流体制御部品には、バルブ、ポンプインペラ、配管継手、フィルターハウジングなど多くの種類があり、材質はステンレス鋼、黄銅、鋳鉄、耐熱樹脂、セラミックなど多岐にわたる。形状的には、内部に複数の曲がりを持つ流路、直径に対して深さの大きい貫通穴、厚さ1mmに満たない薄肉の隔壁、Oリングを装着するための幅0.5mm程度の微細な溝、組み付け基準となるねじ山や位置決めピン穴など、計測が難しい部位が集中している。

現場検証チェックリスト

確認項目 判断ポイント 導入メモ
対象ワーク 寸法、表面状態、主要公差がスキャン目的に合うか確認する 代表ワークで一連の試しスキャンを行う
データ連携 点群、偏差マップ、検査レポートが品質工程に入るか確認する 出力形式とレビュー担当を事前に決める
現場運用 教育、校正、照明、作業スペースを評価する 検証結果を量産検査の基準として残す

また、接液面は鏡面加工されている一方で、外郭は鋳造ままの粗い面になっているなど、同一部品内で表面状態が大きく異なるケースも少なくない。検査では、組み付け精度に関わる基準寸法、漏れに影響するシール面の平坦度、流路抵抗に関わる内部形状など、数十項目にわたる公差を同時に確認する必要がある。

従来手法で顕在化する検査の課題

従来のノギスやマイクロメータ、固定型三次元測定機(CMM)による検査では、流体制御部品の複雑な内部構造を非破壊で計測することが難しく、特に深穴の奥や曲がった流路の壁面の寸法を把握するには、部品を切断して断面を観察するしかなかった。また、鏡面やめっき面のように光を反射しやすい表面、黒色樹脂のように光を吸収しやすい材質では計測誤差が生じやすく、検査員の技量によって結果にばらつきが出るケースも多い。

多品種少量生産が中心の流体制御部品の製造現場では、CMM用の冶具作成に数日単位の時間がかかることもあり、生産ラインの节拍に合わせた迅速な合否判定が難しいという課題も抱えている。生産ロットごとの寸法ばらつきを追跡するにも、従来の手法ではデータの蓄積と分析に手間がかかり、工程改善につなげにくい点も課題の一つだ。

3Dスキャンを活用した検査戦略の構築

流体制御部品の特徴に合わせた3D検査を実施するには、まずワークの材質と表面状態に応じてスキャン条件を調整し、点群データの欠落やノイズを最小限に抑えることが重要だ。INSVISIONAlphaScanハンドヘルド3Dスキャナーは、工業計測向けの高精度測定に対応しており、反光しやすい金属面や光を吸収しやすい樹脂面でも、事前にスプレーを塗布することなく安定した点群データを取得できる。

複雑な内部流路や深穴のデータが不足した場合は、スキャナの角度を変えて部分的に追加走査を行い、点群の欠落を補う。取得した点群データは不要なノイズを除去した後、設計CADデータと重ね合わせ、各部位が公差範囲内かどうかを自動で判定する。このとき、組み付け基準となる位置決め穴や端面を優先的に位置合わせすることで、実際の組み付け時に生じる不具合を事前に検知することが可能だ。INSVISIONはISO9001:2015をはじめとする複数の品質管理認証を取得しており、検査結果の信頼性確保にも配慮されている。

検査データの活用と現場運用のポイント

3Dスキャンで取得した検査データは、単なる合否判定だけでなく、製造工程の改善にも幅広く活用できる。たとえば、同一ロットの複数部品の寸法ばらつきを集計することで、鋳造や切削加工のどの工程で誤差が生じているかを推定し、工程パラメータの調整につなげられる。また、検査結果をまとめたレポートを自動で出力する機能を活用すれば、顧客へ提出する品質証明書としてそのまま使用することも可能だ。

運用にあたっては、ハンドヘルド型のスキャナを使用することで、大型のバルブハウジングを測定する際にも、ワークを測定室まで移動させる必要がなく、製造現場や倉庫に持ち込んでその場で検査を完了できる。品質基準が厳しい流体制御部品の分野では、検査データの長期的な蓄積と分析が製品の信頼性向上に直結するため、測定精度が安定し、データの互換性の高いシステムを選定することが重要だ。