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車体キットの3Dスキャン:素材・形状の課題に対応する計測プロセスの設計

## 計測対象としての車体キットの基本的特徴 車体キットは、ワイドボディパーツ、スポイラー、フェンダー、バンパーなど、車体の外観や性能を改修するための部品の総称で、素材はFRP、CFRP、ABS樹脂、アルミニウムなど多岐にわたる。完成品には塗装が施されている場合も多く、光沢のあるクリアコート面、つや消しの黒色塗装面、メ

計測対象としての車体キットの基本的特徴

車体キットは、ワイドボディパーツ、スポイラー、フェンダー、バンパーなど、車体の外観や性能を改修するための部品の総称で、素材はFRP、CFRP、ABS樹脂、アルミニウムなど多岐にわたる。完成品には塗装が施されている場合も多く、光沢のあるクリアコート面、つや消しの黒色塗装面、メッキ加工面など、表面状態も部品ごとに大きく異なる。寸法は小型のドアミラーカバーから、全長2mを超えるフルワイドキットまで幅広く、自由曲面が大半を占めるほか、ホイールアーチの深い凹み、車体への取り付け用の隠れた穴位置、薄肉で変形しやすい縁部分など、計測上の特徴が多い。特にカスタム向けの少量生産品は、基準となる車種の形状に合わせて微調整が必要となるため、寸法精度が取り付け作業の良し悪しを直接左右する。

INSVISION AlphaScan 3Dスキャン事例
INSVISION AlphaScan 3Dスキャン事例

要点のまとめ

  • 車体キットは、ワイドボディパーツ、スポイラー、フェンダー、バンパーなど、車体の外観や性能を改修するための部品の総称で、素材はFRP、CFRP、ABS樹脂、アルミニウムなど多岐にわたる。
  • 従来のノギスやゲージ、固定型三次元測定機による検査では、車体キットの特徴に由来する課題が頻発する。
  • これらの課題に対応するため、ポータブルタイプのハンドヘルド3Dスキャナーを用いた計測戦略が有効である。
  • 3Dスキャンで取得した点群データは、設計時のCADデータと直接比較することで、各部の寸法公差や取り付け位置のずれを可視化できる。

車体キットの計測で発生する代表的な課題

従来のノギスやゲージ、固定型三次元測定機による検査では、車体キットの特徴に由来する課題が頻発する。まず表面状態の問題で、光沢塗装面は計測時の反射によりデータが欠落しやすく、多くの場合、つや消し剤を吹き付ける前処理が必要となる。完成塗装品にこの処理を行うと塗膜を傷める恐れがあり、顧客の要望で特注塗装を施したカスタム品の場合は、前処理自体が実施できないケースも少なくない。次に構造上の課題として、大型のワイドボディキットは固定の三次元測定機の測定範囲に収まらないことが多く、複数回にわたって部品を移動・再固定する必要が生じ、位置ずれによる誤差が発生しやすい。薄肉のFRPパーツは固定時の圧力で変形するため、締め付け強度の調整が難しく、実際に使用する状態での正確な形状を測定できないケースも存在する。さらに従来の検査では出力されるデータが手書きの数値や簡易な図面に限られるため、設計チームとの共有や修正作業のトレースが難しく、品質のばらつきの原因を特定するのに時間がかかるという課題もある。

現場検証チェックリスト

確認項目 判断ポイント 導入メモ
対象ワーク 寸法、表面状態、主要公差がスキャン目的に合うか確認する 代表ワークで一連の試しスキャンを行う
データ連携 点群、偏差マップ、検査レポートが品質工程に入るか確認する 出力形式とレビュー担当を事前に決める
現場運用 教育、校正、照明、作業スペースを評価する 検証結果を量産検査の基準として残す

AlphaScanを用いた車体キット向け計測戦略の設計

これらの課題に対応するため、ポータブルタイプのハンドヘルド3Dスキャナーを用いた計測戦略が有効である。INSVISIONAlphaScanは工業計測向けの高精度測定に対応したポータブルシステムで、大型の部品であっても測定者が部品の周囲を移動しながらスキャンできるため、部品自体を移動・再固定する必要がなく、位置ずれによる誤差を抑えられる。非接触での測定が可能なため、薄肉のFRPパーツに圧力をかけることなく、変形のない本来の形状を取得できる点も大きな特徴である。光沢面やつや消し面に対しても、レーザーの出力条件を部品ごとに調整することで、つや消し剤の前処理を省略できるケースが多く、完成塗装品へのダメージを回避できる。ホイールアーチの深い凹みや隠れた取り付け穴など、従来の装置ではデータ取得が難しかった箇所についても、測定者が自由に角度を変えてスキャンすることで、死角なく点群データを収集することが可能である。

計測データの活用と品質管理サイクルの構築

3Dスキャンで取得した点群データは、設計時のCADデータと直接比較することで、各部の寸法公差や取り付け位置のずれを可視化できる。偏差を色分けした検査レポートを自動生成すれば、設計、生産、取り付けの各チームで共通のデータを共有でき、修正箇所の指示や手直し作業の効率が大きく向上する。既存の車種に合わせたカスタムキットの開発では、車体側の3Dデータとスキャンしたキットのデータを事前に照合することで、取り付け現場での隙間やズレの発生を未然に防ぐことも可能である。INSVISIONはISO 9001品質管理体系をはじめ、CE、FCC、CNASなど複数の国際認証を取得しており、システムの信頼性が確保されているため、品質管理の基準データとしても活用できる。車体キットの製造現場では、計測からデータ解析、設計修正、再検査までの一連の流れをデジタル化することで、属人的な検査のばらつきを減らし、安定した品質の製品を効率よく供給する体制を構築できる。